あの子をなくして

当たり前の事なんて無いと

分かったはずなのに

まだ私は

当たり前のように思っていた

私の両親はお陰様で

とても元気だ

年は重ねていっているわけだから

いつかは

という思いはあっても

まだ当分の間は元気だろうと

当たり前のように思っていた

３日前の朝

突然　父が脳梗塞になった

前日まで

普段と何も変わらず元気だったのに

本当に突然だった

脳梗塞はそういう病気だと言われた

当たり前が

当たり前ではなくなった

生きないといけなくなった

生きたいとか

そんな思いではなく

生きないといけなくなったなと

思った

突然の事だから

なんの心づもりもなく

やる事がたくさんある

父のリハビリ等を手伝わないといけない

人はどんな状況になっても

命ある限り

生きないといけないんだなと思った

深く考えてしまうと

やっぱりどうしても

あの子へ思いがいって

考えがまとまらなくなるから

今はとにかく

目の前の問題に向きあいながら

生きて

するべき事をこなしながら

まわりの方への感謝だけは

忘れないように

生きとかないといけないんだなと思って…

本当は

生きたいと思えるのが良いのだろうけど

当たり前の事なんて

何一つ無いから

命ある限り

感謝して

生きないと

いけないのだろう